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『ハインリヒ・シェンカーの音楽思想』を読んで [書評]

 調性音楽の音楽的文脈や骨格を分析にするに当り「シェンカー分析」や「シェンカリアン」という言葉を、音楽を志す者は一度は耳にした事があるとは思います。機能和声にて厳格に取扱われるのは長調の世界観であり、短調というのは多義的な側面を多く含みますが、それを解釈する側には多義的な解釈のままを許容せずに一義的な解を求める様にして解釈しようとする者もおります。とはいえ、音楽を分析・解釈するに当っては個人の裁量でどうにでも許されるという物でもなく、音楽の分野はこうした個人的な裁量という良心を万人に向ける様な事はしない程に実際には手厳しい物であり、誰にでも自由発想を許容する様な物ではありません。西洋音楽に客足を向けようとする時というのは概して優しさを伴い敷居を低くして温かく迎えるものですが、ひとたびその世界に身を投じると、界隈の厳然たる流儀や個人の主観・臆断を許容せずに形式や様式の在り方を厳しく取扱う事に歎息してしまう人も少なくはないでありましょう。


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