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TBS系列ドラマ『流星ワゴン』BGMに用いられる微分音 [楽理]

 2015年1月から放送が開始されたTBS系列ドラマ『流星ワゴン』のBGMサントラに興味深い音があると私の知人が教えて呉れたので、取り敢えずは録画していた物をあらためて確認する事となった訳ですが、そこにはやはり微分音が使われていた、という訳です。


 私は着信音ビジネスで嘗ての着メロを制作していた時から、アナログ放送時代からもHDDレコーダーであらゆるテレビ番組を録画してきたという経験が今でも役に立っているのか(嗤笑)、今でも着信音などは無関係に大体の番組は録画されております。とはいえHDD容量との兼ね合いもあるので録らない物もあるんですが、録った後に観る or 観ないに関わらず大体のコンテンツは録画される様に配慮はしているのであります。

 そんな下地が功を奏するのが、今回、私の知人からの指摘で、『流星ワゴン』の中に微分音が使われているようだ、というモノ。番組をリアルタイム視聴をしていなかったものの、その指摘を受けてあらためて確認してみると、その微分音とやらは一発で判りました。確かに「空ろ」な卒倒感を伴う形而上学的&霊的な場面で使われているので、微分音とやらに無頓着な方でもなんとなく推察するに容易いかもしれません。


 譜面にすると次の様に表せるのですが、私は当初この譜例をTwitter上にて音程を間違えて投稿してしまったのですが(今は修正済)、今回の譜例の様に中立7度音程ではなく、夫々の音をオクターヴひっくり返して表記してしまい中立9度音程としてしまったため大恥をかくことになった訳ですが、今回の譜例の様に、正しくは四分音律に依る1050セントの音程というのが正しいものとなります。
RyuseiWagonMicrotone.jpg

 因みに、『流星ワゴン』の音楽担当は千住明氏。深く首肯し乍ら納得するばかりです。


 扨て、こうした微分音を私のブログで取り上げるにあたって記憶に新しい所では酒井健治、ピエール・ブーレーズの「Doubles」や、Massacreの「Killing Time」でのフレッド・フリスが50セントずらしたピッチ・トランスポーザーを用いた物や、きゃりーぱみゅぱみゅの「にんじゃりばんばん」の一番最後のSEの微分音によるトーン・クラスターとかアロイス・ハーバ関連の話題、坂本龍一の「夜のガスパール」内で使われる50セント高い増三和音をポリ・コードとして使っている箇所、マイケル・ブレッカーに依るテナー・サキソフォンの四分音運指など、ブログ内検索をかけていただければお判りになるかと思いますが、一風変わった所では昨年(2014年)夏のラゾーナバーゲンのCMのパーカスがやはり大膽な微分音にてチューニングしていた事など記憶に新しいかと思います。


 恥かきついでに、このような小ネタでも語っておかないといけないと思ったのでついついこの様に語ったのでありますが、均斉的な微分音(勿論民族的なそれは除く)が取り扱われるようになってから120年以上でありますが、大完全音列が当初は四分音をも包含していた訳ですから24世紀以上も時を隔ててあらためてこうした音脈に魅力を感じているというのは疑いの余地はないのでありまして、こうした「新たな」音脈に対して無智であってはいけないと思う事頻りです。

 一般的にはまだまだ馴染みが薄かろう「微分音」の使用例を、テレビで実感できる良い機会だと思うので、興味のある方はお聴きになられる事を慫慂します。

【追記】

 この追記部分はTVドラマ第3話終了後に気が付いた事なので幾つか語っておこうと思います。

 先の流星ワゴンの微分音が使われるBGMのコンサート・ピッチは当初私は440Hzだと呟いておりましたが、あらためて能く聴くと、浅くコーラスというエフェクトがかかっておりそれが邪魔をしてしまったのですが実際には442Hzの様です。

 例えばLogicProをお持ちの方は次の様に模倣されてみると判り易いかもしれません。
 
 チューニングは442Hzにアサインします。

 音源EFM1を2トラック分用意して、1つをg音を出す為に用い、もう一つをasより1単位四分音高い音を出す為として用います。EFM1ではデフォルトで入っているCalmingという音色名をどちらのトラックも使用し、この音色パラメータの「Carrier detune」だけ「0=ゼロ」にします。

 そして微分音用のトラックのみピッチベンド・データで四分音分高くする値を入力しておきます。おそらくEFM1のベンドレンジは±2の筈なので「2048」を入力します。

 2つのトラックに1つのステレオBusトラックをアサインします。ここにChorusを挿入し、パラメータのIntensityを33に、Balanceを100にして、先の2つのトラックのSend量を適宜弄って混ぜてみて下さい。フェードインのオートメーションを書けば完成です。多分大体は似た感じになると思いますのでお試しあれ。

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