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テレビ朝日系列金曜ナイトドラマ『天使と悪魔』のBGM中の微分音 [楽理]

 扨て今回はTwitterの方でも呟いていた通り、微分音の話題を語る事にします。茲最近ではTBS系列ドラマ『流星ワゴン』のBGMでも用いられていたので記憶に新しいかと思いますが、その当該記事も結構好評をいただいておりまして、アクセス数も際立って高い記事になっております。


 『流星ワゴン』の音楽担当は千住明でして卒倒感を伴う、霊的で形而上学的な描写では能く使われていた微分音に続いて、今回はテレビ朝日系列『天使と悪魔 -未解決恃険匿名交渉課-』にて渡部篤郎と剛力彩芽が出演する金曜ナイトドラマの番組内に用いられている微分音を語る事に。音楽担当は林ゆうき。あの『ドクターX』の音楽担当の方なので、それを思えば印象深い音楽を耳にする事になるのは推察に容易いものであります。


 本ブログ記事は『天使と悪魔』の本放送第2話終了後で語っている事なのですが、これまで私が見て来た1・2話中で概ね5回程微分音のBGMが用いられてきたでしょうか!? 渡部篤郎演じるハードなタッチのドラマのそれは外事警察の様な冷淡な中に「熱れ」《いきれ》を伴わせる描写は本ドラマにも生かされており、ヒリヒリとする様な戦慄を感じさせるそれについつい惹き込まれてしまいます。そんなドラマの中で描写されているものは、時に人間味を充溢させた観点は真実を歪曲してしまいかねず、良心や倫理観を蹂躙して凌駕してくる悪意に対抗出来なくなる危険性を孕んでいる。だからこそ良心や倫理観に培われた自身の感情を左右されない様に渡部達郎演ずる「見立て」はとても冷淡に進行するのでありますが、この渡部篤郎の演ずるポジションも一匹狼ではなく、法曹界や警察の権力の蠢きを描写しているのも心憎いのであります。


 そうした囂々と蠢く権力を象徴する様な時や倫理観と悪意との倒錯が起る様なシーンで、印象的な微分音は用いられますが、ドローンも象徴的なのであります。

 茲で言う「ドローン」とは、音楽界で言う所のドローンであり、近年話題になっているリモコン式の飛行する機械の事ではありません。そもそもドローンとは、低音域で果てしなく奏鳴する音の事で、概して上音部とは無関係の和声的連関性・音律など、上声部に溶け込む事のない音の事であります。除夜の鐘が鳴っている所で、その鐘の音の音律や音高とは全く無関係な和音や音律に則った音楽が奏されていても、それは広義では不協和かもしれませんが、決して相容れないものでもないでしょう。とはいえ上音の音楽部だけにどうしても拘泥したい時であれば低音に奏されるドローンは邪魔かもしれませんが、どちらにも無頓着であって良い様な状況であるならば、その響きは忌避したくなる程の不協和な状況ではないと思います。


 通奏低音、バッソ・オスティナート、オルゲルプンクトなど西洋音楽界でも低音の取扱いとやらには色んな体系があるもので、ドローンというのはそこに土俗的でさらに形而上学的な感覚を伴わせるものであるからこそそうした名称が嵌当されているのでしょう。因みに交流電源は50/60Hzですが、これにしても日常生活にてドローンとして遭遇しているシーンというのはあったりするものなのです。一般的に電源ノイズ由来のそれをハムノイズと呼びますが、ハムノイズをドローンとして許容できるか!? となると許容できないシーンが殆どでしょう。



 ドローンのそれを、どの辺りの周波数帯域に分布する音とするのかという明確な定義はありません。西洋音楽にて「音楽的に」用いられている時のドローンはオルゲルプンクトが多く有り、大体は主音か5度音或いは4度音が常に鳴らされている物だったりしますが、茲で私が語っているドローンとは、もっと多様なドローンであるのは明白です。


 『天使と悪魔』で用いられているのは、ドローン+トーン・クラスター。それらが微分音を伴っているという訳です。

 茲の所耳が多少疲れていて採譜に難儀したのでありますが、私が聴き取ったのは次に示す通りでして、コンサート・ピッチは442Hzを前提にしてそれぞれの音の微小音程というイントネーションをセント数(1セント=1/100半音・平均律)で示しています。

Bibunon_TenshiToAkuma.jpg


 最低音は変ロ音より25セント低いという事を示しており、一応そこから「5度音程」として上方に坐すロ音より13セント低い音があるのは明々白々です。勿論この5度音程も増五度ですが、一般的な増五度音程より僅かに狭い事になります。


13セント幅が示す音は十六分音
25セント幅が示す音は八分音
40セント幅が示す音は五分音
50セント幅が示す音は四分音
67セント幅が示す音は六分音


 という風にしております。因みにこれらの音を流星ワゴンの時にもやった様に、Logicの内蔵音源EFM1にて「Calming」の音を若干エディットした音を嘗て示した事がありましたが、それと同じ状況で鳴らしていただければ大体の感じはお判りいただけるかと思います。

 以前の記事では、ピッチベンド・データを使ってずらしておりましたが、EFM1のパラメータの中に50セント上下にずらせるパラメータがありますので、それを使った方が簡単かもしれません(嗤)。

 次回も微分音を語る事になりますが、ジェントル・ジャイアントを引き合いに出した上での微分音の話題になりますのでお楽しみに。

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