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マットなスネア・サウンドを求めて [制作裏舞台]

いわゆる「マット」と形容するスネア・サウンドとは、パスっと鳴ってタイトな音。それでいてスナッピーの鳴りは殺さずに、活かしたい所はトコトン追求して、切りたい所はトコトン消す、と。

SCコンプで極端にパッツンパッツンにするもよし(概ねリミッターとしての使い方)、方法はいくらでもあるんですが、一例として挙げてみたのでそちらも参考にしてみてください。

この手の音は、

・ SCゲートで切る!
・ コンプで潰す!
・ EQ弄りまくる!

とまあ、こんな感じですが、そもそもドラム類の音というのがスネアに限らず結構大胆なイコライジングを施したりするものであります。

最近は様々なドラム音源が人気ですが、それらの多くは予め作られた音が多くて、もちろんトリート程度で済ませる作業も「作られた音」ではあるものの、あるキャラクターを速やかに作れない人を嘲笑うかのように、元のドラム自体にそれほど大きな変化はないのに、音作りの妙味はベールに包んだままで、キャラクターのバリエーションを多く揃えてあたかも潤沢なサンプルを用意したと言わんばかりの製品が多いのも事実です。

で、マットな音を作ろうとする場合、残る帯域、すなわち「活かされた」音の部分というのは、概ねオーバーシュートのような大胆なイコライジングのカーブによって保たれているため、その辺りをヘタに弄ると少々耳障りな位相の乱れというか音質変化が起こりやすいものです。マットな音に限らず、ドラムは特に出現しやすいモノなんですが。

そういう耳障りな音を形容すると「ヒュヨヒュヨ」「シュワシュワ」「ピキュンピキュン」(笑)。あまりにヒドイ形容に自分でも書いてて恥ずかしくなるような表現なんですが、まあ概ね高域に現れやすいんですな。

なぜそういう音が現れてしまうのかというと、複合的な要因が絡んでいたりするもので、大別すると以下のようになるのではないかと。

● ダイナミクス系プラグイン(ゲートやコンプやら)のパラメータ設定の甘さ(リリースタイムやスレッショルド、SCのトリガーに用いている帯域)
● 収音時のマイクの物理的な筐体が齎す回折(この場合、マイク周りの空気の乱れによる干渉)による音を、マイクそのものが忠実に拾っていて、通常ならマスキングされているである音に対して積極的にイコライジングを施してしまったため、干渉成分を際立たせ、その後のEQカーブの特性のキワ部分やら、回折で生じた音の干渉(ゆらぎのようなもの)が波打つように顕著に現れてしまう
● 極端なイコライジングによる位相の乱れ


大体これらが要因となって耳障りな音として現れるのではないかと思います。

蛇腹状のホースをグルグル回してヒュンヒュン音を鳴らすオモチャありますよね。回折の最たる現象でもあるんですが、マイクの近接効果で得られる飽和感とは違って、マイクそのものの周波数特性とわずかに変化する空気の動きを忠実に捕えてしまったために起こる干渉。それが後段のEQやコンプ類の設定でより際立たせたりするのでありますな。

これらに気を付けないとマットなサウンドがどーのこーの言う前にドラム類の音というのは難しいものがあります。しかもドラムの場合単発系の音ならこの手の干渉した音は判りにくいものですが、速いパッセージの時に顕著に現れるワケです。

速いフレーズとなると概ね40ミリ秒以内の世界に集約されるでしょうから、コンプ類の設定はこの辺りにも注意を払う必要があるワケですな。場合によっては生ドラムの場合だと複数のマイクのカブリやらごくわずかな位相角の違いから生じる干渉がドラム音源のそれよりも顕著に現れやすいものであります。

市場にリリースされている有名な曲でも、そのような干渉を生じている音なんていうのは結構多くて、エフェクティブな音として許容していると思われる音も結構あります。速いパッセージでなくとも現れていたりとか。

昨年のサンレコでスティーリー・ダン来日時のスネアに用いられていた、当時非売品のEarthworksの白い歯医者さんのツールのようなマイクというのは、回折を極力排除するためでもあるのでしょうが、マイクというのは非常に興味深いものであるんですな。そうしないとドラムは録音できないですからね。エレドラやらトリガーオンリーのドラマーも少ないでしょうし(笑)。

私の現在の舞台裏を述べると、以前MIDIデータで作っていたKYLYNの「Sonic Boom」。これを着うた用に作ってみようと思って作ってみたんですが、これには狙いというかある意味挑戦したい部分があって、それは着うたというのは機種やメーカーの規定にもよりますが、概ねiTunesの標準的なビットレートよりも低いビットレートが殆どなのです(iTunesの標準ビットレートと同じビットレートも実際には左近治のリリースしてきた楽曲の一部にはあります)。

そういう圧縮率の高い低ビットレートというのは、先ほどの音の干渉の要因に加えて、さらにそれを際立たせてしまう音質変化が起こることが非常に多いのであります。場合によってはコーラスをかけたエフェクト音の高域成分が緩やかなLFOのそれとはうって変わってカクカクした動きになったりするのはまだイイ方(笑)。シュワシュワ感やらが非常に多く際立つことが多いのです。

勿論それを出来るだけ回避できる方法もありますし、ビットレートによるアルゴリズムの「クセ」というのも把握しているので、ある程度は回避できるんですが、それでも制作時の24ビット96kHzと比較したら音の違いはやはり歴然としています(笑)。24ビット96kHz制作時から先述のような要因で音を耳障りにしていては言語道断ですけどね(笑)。低ビットレートの着うたなら更に助長するでありましょう(笑)。

まあ、先の「Sonic Boom」の出だしのドラムのフィルはそういう低ビットレートに対してどういう音質変化が起こるのか、という挑戦なんですな(笑)。お試し程度に「Sonic Boom」のさわりはいずれリリースすると思います。好評ならメインテーマ部はおろか、益田幹夫のローズソロや渡辺香津美のギターソロ辺りまでは一応リリースを考えてはいます(笑)。


とりあえず、マットな音の作り方みたいなコトを述べてみようかと思いまして、今回はエフェクトセッティングと視聴用のデモを用意しました(笑)。

まずはLogicをお持ちの方に用意してもらいたいのはEXS24の中から「Studio Tight」のスネアの音。ちなみに左近治の制作環境は24ビット96kHzで作っているので、48kや44.1kのサンプルレートだとまるっきり違う音(だいたいコモリ気味か、エイリアスノイズが付加されるか、低音が増強されてしまう)になるので、その辺りは御容赦を。

ではまず、曲の方から。



単発系で2発ずつスネアを鳴らしていますが、これらはマットサウンドの極端な例としての2種類のバリエーション。音は殺すだけ殺しています(笑)。その後クロスフェードで、マーチング系のダブルストロークで入ってきますね。

同じフレーズがもう一度続くところが、Studio Tightのスネアのデフォルトの音です。MIDIデータそのものは同一ですが、左近治が打ち込んだデータというのはデフォルトではないエディット側の音をモニターしながら作っています。

このロール部に用いた音のセッティングは以下の通り。左→右という接続順で試していただけたらな、と思います。

Matt_Snare.jpg

右から2つ目のEQで更にプレゼンス付加させたのは、その前段でも弄ってはいるものの不足しているかと思って足したモノです(笑)。こういうことする時はホントはリニアフェイズEQの方がイイと思いますし、3つのバンドを使っているものの、真ん中は全然使っていないのにOFFるの忘れてるし(笑)。

BLOCKFISHのゲートは、セルフトリガーによる音作りという点で最も判りやすいゲートのひとつであると思ったので使っています。普段の左近治はSonalksisかURSかMIOのDSPを使っていますが、汎用性が高いであろうBLOCKFISHを選択したのであります。非常にオイシイ所に手が届くプラグインで、フリーの割に非常に質が高いと思います。


今回のこのようなマーチングロールに合うような(マーチング系のそれはもっとデッドでハイピッチ)音の妙味は、弱音時のスナッピー感。やはりコレがキモでありましょう。スナッピーというのは広い帯域に及んだ「ノイジー」な音を付加させようとする意図と、それによって不協和な太鼓の鳴りを隠すという狙いがあるもので、キレイな音を得ようとしてもノイズを加えるというのはジレンマがあるワケですが(笑)、不均一なスナッピーというのも、後の出音で干渉成分を増やしてしまう一因にもなります。

カンカンにヘッドを張って、その自発的な張力によって不協和な太鼓の鳴りを消すという手もありますが、均一なチューニングをマスターしていない人がコレをやると、いずれネジ抜けなくなったり、フープ歪めたりするので、きちんとしたチューニングをマスターしてください(笑)。過去のブログでもチューニング方法どこかで書いたので、そちらも併せて読んでいただければな、と(笑)。
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