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「なっ!?船員、小田急」 I'm Not The Same Without You /ドナルド・フェイゲン「Sunken Condos」考察 [スティーリー・ダン]

 ドナルド・フェイゲンの今作「Sunken Condos」の作品全体に渡った歌詞を吟味してみると色んな解釈ができるモノでもあり、そうした暗喩めいた所にSDのお二方の楽しみ方があったりもするんですが、私が感じた今作の情景は、老いて行く主人公の前に現れる若い女性というのは実は介護人が医療方面の技師とかカウンセラーの類の様に私は感じるワケですな。女性への欲情を自分自身は嘯き乍らもそうした感情に直視しようとも、先の成就に至るまでの事など頓着したくないという人生の惰性感が投影されている様に思えます。恐らくは嗜好していても直感的にしか判断が及ばず、痴呆すら進行している様を描写しているのかもしれません。


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Slinky Thing ~ドナルド・フェイゲン 「Sunken Condos」考察~ [スティーリー・ダン]

 ドナルド・フェイゲンの新譜「Sanken Condos」が発売されたのを機にこうしてアルバム考察を繰り広げようと画策しているワケでありますが、アルバムタイトルは「水没したコンドミニアム」みたいに理解すれば宜しいのでしょうかね。暗喩に満ちたタイトルは今も健在ですな。
SunkenCondos.jpg



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Tomorrow's Girls制作裏舞台 [スティーリー・ダン]

 今になってドナルド・フェイゲンのソロ・アルバム「Kamakiriad」から選曲してケークリにてリリースするというのもどうだろうか!?という迷いがあったものの、そもそもその迷いというのは、あのアルバム作りにおいて特徴的なDX7の「ほぼプリセット」と思しきDXベース(私は個人的に好きです)を使っていることもあってどのようにして反映させようか!?と考えていたコトだったのです。

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スティーリー・ダンへの尊奉 [スティーリー・ダン]

扨て、左近治が楽理に関する話題を強化したのはウォルター・ベッカーの「サーカス・マネー」リリース辺りが境のコトでした。

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リキの電話番号とチェレプニン9音音階 (2) [スティーリー・ダン]



扨て、前回の続きを語っていこうと思うワケですが、とりあえず前回のおさらいとしては「ジプシー・マイナー」というスケールを引き合いに出して語っていたワケであります。

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リキの電話番号とチェレプニン9音音階 [スティーリー・ダン]



pretzellogic.jpg今回はスティーリー・ダンの名曲「リキの電話番号」を題材にしちゃいますね、と。

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オルタードとスーパー・ロクリアンの違い つづき [スティーリー・ダン]

扨て、今回も前回の話題同様、スーパー・ロクリアンとオルタードの違いとやらについて語ろうかな、と思います。

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Popper's MTVという番組がありましたね [スティーリー・ダン]

まあ、こういうブログタイトルから予測しづらい方面の話題にしていくのが左近治流なのですが、例えば、スティーリー・ダンやシンクラヴィアの話題にまで引っ張ってみようかな、と(笑)。


時は1985年だったでしょうか。前年の夏にPropagandaの「Das Testaments Des Mabuse」の12インチを愛聴盤(三菱ギャランのCMにもなっていました)としつつも、心のどこかでは「デジデジ」していない音を求めていた左近治が居たんですなー。
Propaganda_Mabuse_Front.jpg

「デジデジ」という形容はとりあえずは「過剰なデジタル系な音」と思ってもらえれば差し支えないとは思うんですが(笑)、いかんせん世の音楽シーンはサンプリングの魔法のような魅力に取り憑かれ始めたような時期。シンセだってDX7大ブーム。今まで耳にしたことのないような、「存在し得ぬ音」をいとも簡単に表現してしまうシンセの音!という時代真っ盛りの時でありますよ。

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完全四度レイヤーから見えるもの [スティーリー・ダン]

扨て、前回はスティーリー・ダンの「Deacon Blues」のイントロのコード進行を題材に掲げながらも、脇道での注釈部分に力が入り過ぎて本題を語ることが出来ませんでしたので(笑)、あらためて仕切り直すことにします。

今一度、前回の冒頭の段落をいくつか抜粋してみますので、もう一度おさらいという事でご確認いただければな、と。


「Deacon Blues」のイントロ部分のコード進行で顕著なのは、偶数回に出現するコードでありまして、例としてイントロ部分の2回目に出現するコードを抜粋してみましょう。

イントロ部分、最初の4つのコードのベースは半音クリシェを「C→B→Bb→A」という風に下降して行きます。そこでの「B」の部分を抜粋すると、ここでのコードは表記は色んな解釈があるでしょうが、例えば「Bm7(+5)」とか「A7sus4/B」とか色んな表現があります。

私の持っている輸入楽譜だと「Bm7(+5)」という風に表記をしておりますが、5th音を使いつつ「短六」の音を導入している時など、たまに「●m7(b6)」などという表記を目にしたこともある人はいらっしゃると思います。


とまあ、こういう内容だったワケです(笑)。

ディーコン・ブルースの涙を誘う歌詞の素晴らしさというのを今ここで語るのは無粋とも思えるわけですが、絶望の淵に居ながら我に返り、それこそ果ては無縁仏にでもなりそうな世界に放たれているような自己に少しでも幸福感を与えようとするような世界観。本当に深いです。

そういう深みと、何かメッセージを遺したいというようなものは和声においても反映されていて、それが、前回冒頭で語った「E音の残像」と形容したワケであります。

また、直前のコードトーンのE音を導入することで1小節内2個のコードから構築される調的な親和性と、はみ出すことの可能性という双方の性質を楽しめる場面でもあるので今回語ることにしたワケですな。

じゃあ、とりあえずその偶数回に出てくる最初のコードの構成音というのは「残像」も含めた場合「B、A、D、E、G」という音で構成されることとなり、完全四度ずつ並び替えることが可能なワケですね。

それが画像で確認できる「Primary」というピンクの楕円で囲った五線表記の部分であります。
01Perfect4th_multi_layer.jpg
今回私が声高に語りたい部分はですね、この時点で「アウトサイド」な世界を見いだしてほしい、というコトなんですな。

完全四度音程を等しく上方に6回積み上げると、6回目で7音を構成することになるんですが、仮にC音から順次完全四度を積み上げると結果的にCフリジアンを形成することになります(C、Db、Eb、F、G、Ab、Bb)。


「Deacon Blues」のイントロ部、2つ目のコードというのはB音を基準にして順次完全四度を積み上げればいいのでありますが、とりあえず構成音として見出したのは5音なので(原曲のヴォイシングの実際は四声ですよ)、モード・スケールを「確定」するまでには至りませんが、複調的な「可能性」としては非常に興味深いシーンとなっているワケであります。

Perfect 4th 6 Layeredという風に見ればひとつの可能性としてはB音の下にF#音を追加するか、或いはG音の上にC音を追加するか、という可能性がまず挙げられます。

譜例では「1」と「2」の例となるワケですね。但し、まだ6レイヤーなのでモードスケールを確定するとまでは至っておりません。
01Perfect4th_multi_layer.jpg
等しく完全四度を積み上げている7音の内の5音を確定している状況だと思っていただければいいわけですから、6レイヤーと同様に7レイヤーにおいても上方・下方同様に「可能性」として四度音程を追加していきます。

そうすると「3、4、5」という譜例のようになり、結果的に

●C#フリジアン
●Cアイオニアン
●Cリディアン

という3つのモードスケールの可能性を生んだことになるワケです。
02Mode_scales.jpg

「Cアイオニアン」(=Cメジャー)というのを生むのは、基からCメジャーから開始されるので、アウトサイドの可能性を見いだすまでもなくCメジャーの情感を維持できるという結果を導く照査となりますが、あくまでも「アウトサイドの可能性」を主眼に置いているので、これでは面白くない(笑)。

そこで、もう2通りの方に目を向けると

「C#フリジアン」「Cリディアン」という可能性を導くことができました。

「C#フリジアン」のトーナリティー「Aメジャー」という風に見ることができ、一方で「Cリディアン」は「Gメジャー」のトーナリティーとなるので、Cメジャー以外に2つの「可能性」とやらを導くことができました。


ココでピンと閃いてくれた方は、過去の私のブログをご理解されていただいていると思うんですが、長二度離れた「GメジャーおよびAメジャー」という2つのトーナリティーを導いたというコトは、先に語った事のある「ミクソリディアン+エオリアン」というハイブリッド・モードの概念を用いることも可能なワケですな。

ここまで「拡大解釈」をするとですね、Gメジャー+Aメジャーから得られる「ミクソリディアン+
エオリアン」というのは、「Dミクソリディアン+エオリアン」という結果を導くことが可能となりました。


これまで左近治が「ミクソリディアン+エオリアン」というハイブリッドなモード解釈をする際、あるマイナー・コード上の長二度下からのアプローチで実例を出してきましたが、今回のような拡大解釈をすると、マイナー・コードの短三度上のミクソリディアン+エオリアンという用途も視野に入れるということが可能ということを意味します。基本となるコードはこの場合「Bm7(+5)」だったワケですからね。

一方、増五度を短六度と捉えて転回させてメジャー・コード(=G△)の短三度下、つまりGメジャーからみた平行調の関係にある「Em」を仮想的なマイナー・コードと捉えて、ハイブリッド・モードの概念を導入してアプローチという考えも導入すれば、結果的に、私がこれまでマイナー・コードの全音下からの「ミクソリディアン+エオリアン」のアプローチ、つまるところDから開始することになるので、元のコードを転回しても合致するワケです。

「Deacon Blues」ではこのような説明をしていますが、他の曲でマイナー・コードが出現した場合、見出す「マイナー・コード」が必ずしもトニック・マイナーというトーナル・センターを導く必要はないので、基本となるマイナー・コードにドリアンを想定すれば、その4度下/5度上にトニック・マイナーを見立てたりとすることも可能ですので、この辺りの可能性とやらも以前に説明してきたのでお忘れなく。


まあ、簡単に言えば「こんなに遊び甲斐のあるコードなんだよ♪」と言いたいんですが、まだまだコレで終わったワケではありません。

完全四度レイヤーを導入して「C#フリジアン」を導いている所も実に可能性を秘めておりまして、C#フリジアンというのはC#を基本としてテトラコルドを上下逆、すなわちミラー・モードを形成すると、C#メジャーが得られます。

すると、Bbに行く前にCメジャーとC#メジャーという「うつろい」という可能性まで考えを拡大させることも可能であります。もちろん同様にCリディアンも導いたワケですからGメジャーの可能性をも秘めているという、実に多様な複調ワールドを構築させることが可能なシーンなワケです。

たった2拍の音価にこれだけの可能性を詰め込んでも遊びきれないかもしれませんが(笑)、ディーコン・ブルースのイントロの「うつろい加減」というのは楽譜にすればこそ簡単に表記できる場面かもしれませんが、曲そのものの「うつろい加減」というのは、こうして左近治が提示したアウトサイドの可能性のある音が含まれているワケではないのに、曲調は既に「うつろい」をビンビン感じますよね(笑)。

そういう風に聴かせようとするスティーリー・ダンのマジック、いやこれは平均律の世界を巧みに利用したモノなのだろうと思うワケですが、いずれにしても可能性溢れた感じに聴かせてくれるのは流石SDと思えるワケでして、同時にベッカー御大を深く研究していると、左近治のような「穿った見方」で和声を見る(聴く)のが日常になってしまうので、この曲のイントロはあらためてベッカー御大の音だと推察できるのでありまして、また、ベッカー御大が「Medical Science」的なアプローチを「Deacon Blues」でもやっていたとしたら、必ずしや今回左近治が提示しているアウトサイドな概念で得られる音に出くわすので、これがベッカー御大の作品を楽しむひとつの角度でもあるんですなあ(笑)。


さらに譜例では、後述の譜例のようにC音からの4度音と5度音がそれぞれクエスチョン・マークにしている例がありますが、これは、完全四度の積み重ねを6レイヤーで留めた場合の可能性を示したものです。
03ViewFrom6Layered.jpg
最初の4度音が「?」になっている方は、モードスケールとしての可能性は「FかF#」しかありません。とすると、この場合は先の例のようにCメジャーかCリディアンの可能性しかないということを意味します。

もうひとつの例では5度音が「?」になっているのでありますが、他の音を見れば何となくCリディアンを想起できそうな音列ですが、G音を当てはめれば確かにCリディアンで確定できますが、可能性としては他に「G#」もあるワケですね。

そうすると、G#を選択する可能性を秘めているワケで、そうなるとCリディアン・オーギュメントという、メロディック・マイナー・モード(=Aメロディック・マイナー)を示唆することとなりまして、実はメロディック・マイナー・モードの世界にも寄り添う事の出来る可能性を秘めていることにもなるワケですな。

アルバム「Aja」との出会い

私が最初にSDのアルバム「Aja」を手にして一番最初に気に入った曲は「Deacon Blues」ではなくて「Black Cow」の方でした。勿論、ドラムをやっていた左近治は「Aja」におけるガッドのドラムにはゾッコンでしたけれども、曲そのものの好みとやらは「Black Cow」の方が好きでした。

で、私がメロディック・マイナーの情感に心奪われるようになったのは17歳の頃。今まで持っていたレコードやCD(CDプレーヤーを最初に手にしたのは1985年)で何気なくやり過ごして聴いてしまっていた曲から新たな情感を発見することができたりしていたワケでした。キッカケを与えてくれたのはジェフ・ベックの「Diamond Dust」とピンク・フロイドの「Us And Them」でありました。

それらの情感に目覚め年を重ね、いつしかアルバム「Aja」の中で最も好きな曲が「Deacon Blues」になっていて、当時はSDというバンドは一時解散してしまっておりましたが、ウォルター・ベッカーの「11の心象」に出会ったことで、「Deacon Blues」のイントロ部の「たった2拍」の部分にすらやり過ごすことの出来ない「穿った見方」を養ってくれることになったワケですね(笑)。

ウォルター・ベッカーらしい「穿った見方」を理解できるようになったことで、音価の短い和声的に響きに対しても非常に敏感に情感を見出すことができるようになったというのが私自身の感じてきた経験であります。

身に付けたそういう感覚が良いのか悪いのか扨置き(笑)、とりあえず私も「Deacon Blues」のイントロのコード進行において、敬愛するベッカー御大的な穿った見方で違ったアプローチを用いてみようと思いまして、ちょっとばかりフレーズを用意してみました。
04other_approach.jpg
コード表記のそれとは、実際の音符の臨時記号の音程関係が変わっていて異名同音が多く面食らうかもしれません(笑)。「B#」やら「E#」という表記も使っていますし(笑)。

でも、この表記は音符を追い掛けて読む方なら前後の音の関係もありますが、こちらの方が混同することなく躊躇せずに読譜が可能だと思うんで敢えてこうしたんですな。

単音だけかいつまんで音を確認すれば「見慣れない」表記かもしれませんが、こちらの方が断然読みやすいと思います。

余談ですが、私が追加したこのアプローチ部分の譜例のみ珍しくLogicProの譜面機能で起こした譜例です。他は全てFinaleで過去にも作ってきているのですが。

基となるコードから見ればアボイド・ノートを羅列させてしまっているように見えるかもしれませんが、そこにはきちんとした「言い訳」が用意されておりましてですね(笑)、とりあえず聴いていただければ「変な音」とやらがそれほど変に聴こえない筈だと信じてやみません(笑)。

故マイケル・ブレッカーも「逃げた」アプローチを、穿った見方の世界から毒を提供するとどうなるのか!?という狙いです(笑)。

曲の美しさを妨げずに導入するというコトが根幹にあるのは言うまでもありません。その結果がマイケル・ブレッカーのプレイだったのかもしれません。

如何にアウトサイドなアプローチを導入しようとも、複調的な要素で調性を確定してしまうようなアプローチよりも「うつろい」を演出するにはやはり原曲のようにグッとこらえていた方が酩酊感や「神秘体験」みたいなモノを誘発してくれるかもしれませんしね(笑)。

余談ですが、左近治がよ〜く用いるハイブリッド・コードで、表記的には分母側がドミナント7th、上声部である分子部分が下声部の3rd音をルートとしたsus4或いは7thsus4のコードなんですが、コレは従来もしつこい程語っているんで今更語る必要はないかと思うんですが、和声的な響きとしてどうなるのか?ということを確認してもらいつつ、今回の左近治のディーコン・ブルースでのアプローチに用いた「アウトサイド感」とやらは次のような響きを元に作られております。


拒絶感を抱くほど不協和ではないと思うんですが(笑)、Esus4/C7とA7sus4/F7と「便宜上」それぞれ明記することにしましょうか(笑)。まあ、参考までにお試しくださいな、と。

そーゆーのを使うと、こーゆーのにも用いるコトができます。

なんかフローラ・プリムっぽいシンセ・リードでよくありそうなマジ系クロスオーバーになっちゃってますけど(笑)。

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短六度(=増五度)のマジック [スティーリー・ダン]

「Deacon Blues」のイントロ部分のコード進行で顕著なのは、偶数回に出現するコードでありまして、例としてイントロ部分の2回目に出現するコードを抜粋してみましょう。

イントロ部分、最初の4つのコードのベースは半音クリシェを「C→B→Bb→A」という風に下降して行きます。そこでの「B」の部分を抜粋すると、ここでのコードは表記は色んな解釈があるでしょうが、例えば「Bm7(+5)」とか「A7sus4/B」とか色んな表現があります。

私の持っている輸入楽譜だと「Bm7(+5)」という風に表記をしておりますが、5th音を使いつつ「短六」の音を導入している時など、たまに「●m7(b6)」などという表記を目にしたこともある人はいらっしゃると思います。

但し「A7sus4/B」という表記だと「E音」を含むことになるので「Bm7(+5)」が適切であるのですが、この「E音」というのは直前のCメジャー7thの3rd音が「遺していってくれた残像」と呼ぶべきガイドラインとなっているんですな。

というのも、一番最初に登場する「C△7」と、この2つ目のコードは一応Cメジャーのトーナリティーを維持している動きで、最初のコードの「掛留」とも言える残像を含みつつ進行している妙味というものがあります(※掛留は実際には音伸ばしっぱなしですからその辺は混同しないで下さいね)。

しかしながら、それら2つのコード進行の間でトーナリティーを維持してはいるものの、外側の世界を垣間見ることのできる調性の「うつろい」とやらの情景をも確認することのできる美しい世界観が存在していて、今回左近治は、普通に聞き流しそうなそんなシーンをストップモーションのように凝視するように外側の世界とやらを確認してみようという思いで語ることにします。

マイナー・コードにおける短六の扱いというのは、実際には和声の性格が違いますので、コード表記そのものの簡便さにつられて理解をおざなりにしてはいけないので注意が必要なんですが、仮に「Cm7(b6)」なんて表記があったとしたら、それは実際には「Ab△9 (on C)」というコトを見抜かなくてはならないんですな。

とまあ、少し横道に話題が逸れているものの、マイナー・コード上においての短六の扱いはご理解いただいているとは思うので、「増五度」表記となると少々解釈を拡大させても宜しいのではないか!?という場面が出てくるので、もう少しばかりこの話題を続けますね。

マイナー・コードにおいて5th音が「増五度」の場合だと、先述の短六とは違って5th音が完全五度ではなく増五度となっているのが特徴となります。

主音から短三度音程を持ち、且つ五度が増五度となるモードというのはかなり特殊なモードを導入することになります。

例えばチェレプニン・モードを想起した場合、以前チェレプニン・モードとして導入した時のダイアトニック・コードというのは3種類の増三和音を例に出しましたが、増三和音を用いて説明したのは、それらの数が非常に少なくシンプルに理解できるのではないかという理由から用いたのですが、6種類のメジャー・トライアドをダイアトニック・コードして用いたり、マイナー・コードを用いたりすることも可能なワケです。

また、以前にはチェレプニンの音階とはプライマリー・グループの他に、サブ・ドミナント・グループとドミナント・グループと、明確に3つ情緒を有している音階だということも説明したワケですが、重要なことは、3つの増三和音をダイアトニック・コードとして用いた時の各コードの構成音のルートと三度音、五度音の各音はそれぞれ1音ずつプライマリー属、サブ・ドミナント属、ドミナント属にキッチリと明確に棲み分けされているんですね。モードの世界はI類・II類というように2つのグループに分けて捉えますが、チェレプニンに3つの情感があるというのは以前の記事からもお判りになっていただけたかと思います。そこが特殊な部分ですね。

同様に、チェレプニン・モードにおいて長和音でダイアトニック・コードを形成する時は、6つのメジャー・コードの各構成音のルート・三度音・五度音は等しくそれらに属した方がチェレプニン・モードとしての安定感を得られることにもなります。短和音をベースとするダイアトニック・コード形成も同様です。

そうして、チェレプニン・モードにおいてマイナー・コードをベースとするダイアトニック・コードを形成すると五度音は自ずと「増五度」を形成してくれるんですな。

わざわざチェレプニン・モードを形成せずに完全五度音をオミットして短六をあたかも増五度のように用いることも可能ではありますが、和声だけ鳴らされていれば充分かもしれませんが、旋律的に対処するとこの扱いは足枷となります。

判りやすく言えば、オルタード・スケールを用いた時に、人によってはそのスケールをスーパー・ロクリアンと同様の扱いで用いているかもしれませんが、実際のオルタード・スケールというのはb9th音と#
9thをスケールに導入したものでありまして、同じ「九度音」に属する変化系の音であるため、和声的にb9、9、#9を同時に扱えないシーンと同様の「足枷」が生じてしまうということを意味しているのであります。

モード・スケールを当てはめた場合に、実際にはモード・スケール上で完全五度と短六の音の2つがあったとしても、和声的には完全五度をオミットして短六側の音を和声的に導入することで結果的に「増五度」の音を示唆するということもあるというワケですが、混同しないように注意が必要ということです。

「他の」トライトーン!?

例えばドミナント7th上でドミナント・モーションを得る場合、それはトライトーンの和声的な落ち着きへの欲求がもたらす進行だということはお判りいただけるとは思うんですが、7thコードが出現したからといって必ずしも完全四度上または短二度下に解決するものでもない進行に出会ったことがあると思います。Cメジャー・キーにおけるG7とDb7がトニック・メジャー(=C△)や平行調に解決するというシーンではないという意味です。

ドミナント7thというコードを少々「穿った」見方をして、「複調的」に捉える、という意味なのであります。

こういう例外的な進行はトライトーンの見いだし方の違いによって生まれたもので、ドミナント7th上では基本となるトライトーンは「長三度音と短七度音」なワケですが、オルタード・テンションも視野に入れればトライトーンを生じる音など数多く存在します。例えば、

●・・・「5th音とb9th音」
●・・・「9th音とb13th音」
●・・・「#9th音と13th音」
●・・・「#11th音とルート音」


ってぇこたぁ、これらのトライトーンを有するドミナント7thは他にも想起できるだろってことをも意味することになるワケですな。つまり、上記のように他に見いだせるトライトーンを、母体となる所とは別のドミナント7thを想起してみる、という視点です。

Cメジャー・キーであった場合、何もG7とDb7だけではない可能性も内在しているというワケですが、「#9thと13th」という組み合わせから他にドミナント7thを作っちゃうとCメジャー・キーを例とすればG7上で想起できるその7thコードは「F#7とC7」となってしまって、これでは本来のドミナント・モーション時に現れる次のコードを次に行かないまま示唆しかねない「曲解」を生みます。

しかしM3rdと#9tthの作る長七度(=短二度)は美しいですし、同様に7thと13thの作る長七度(=短二度)も非常に美しいのであります。

但し、ドミナント7thとしてのオルタード・テンションを用いるシーンでは私自身の経験では「#9thと13tth」の和声的な同時使用は少ないのでありますが、おそらくその理由のひとつに、ドミナント7thに(母体の)複調的な考えを導入する際、先述のようなジレンマを生じかねないので、ドミナント7th上において「#9thと13th」を用いた音はどちらかというとドミナント7thのそれよりも分数コード的な響きに聴こえるのでありまして、複調的な側面でみるとそのようなジレンマが近い所にあるために、ドミナント7th本来の情緒とは違う和声感を抱いてしまうからなのかもしれません。

無論、G7において複調的な側面で見たことで「C7とF#7」を想起できるからといって、元々C音を和声的に導入していたワケではありませんし(笑)、Gから見たM7th音であるF#音も和声的に導入しているワケではないのですから「#9thと13th」はNGってワケではないですよ(笑)。

ドミナント7thのような響きなのに、積極的にM7thの音などを用いてる音を聴いた場合、それは機能的にドミナント7thのそれではないということまで理解していただければ誤解が生じないかな、と。

メジャー7th上で7th音(=増六度)の音を耳にするのも同様、マイナー9thコード上でb9thの音を聴いたりするようなシーンなど、それらの矛盾は何もドミナント7thではありませんが、機能的に全く異質の世界で表現されているものと理解してください。

だからといって、結局はチャーチ・モードの世界に収まる曲調でムリヤリいかなる音を羅列しても問題ないというコトではありませんからね(笑)。

完全に、基本となる属和音としての機能を失わせてそれらの音を得たい場面でしたらコード表記そのものも変える必要性が出てくるでしょうが、とりあえずオルタード・テンションの同じ度数グループから派生している音は和声的に同時使用がない例、またはトライトーンを発生させても実際の機能を失わせてしまう例などこうして横道に逸れつつもお判りになっていただけたかと思うワケですが(笑)、つまるところ、オルタードとスーパー・ロクリアンを混同するような間違いは、こういう増五度を用いる場面でも同様に混同してほしくない、という気持ちから脇道に逸れて話題を振っている左近治なのであることをご理解いただければ、と思います(笑)。

今回はかなり横道に逸れた部分が長いので、この辺でとどめておきましょうか(笑)。続きは後日。
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