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CDレビュー 『Cardington』/ Lifesigns [楽理]

1. N

 B♭sus4コード上にて7/16拍子 [2+2+3] という拍節の基本構造は、「ライトモチーフ」たる示唆を伴う 'implied structure' として展開されていく様になります。B♭sus4というコードに於ても、四度の響きの直後に長三度音の隣接音を伴わせたリニアなラインが附与されている為サウンド的には「B♭add4」的な音として耳に届きます。それはまるで、目映い光を直視できぬ時に手で目を覆い乍ら視線を送るという状況を感じ取れるかの様です。


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中東地域に於ける微分音 [楽理]

 先日私は、ネット上にて大変興味深い記事を見付けました。それは、ファッション誌でも知られるフィガロのネット記事なのですが、コトリンゴさんがインタヴュアーとなってティグラン・ハマシアンにインタヴューをしているという記事なのですが、遉ティグラン・ハマシアン。基礎となる音楽的土壌に於て普遍的に微分音社会に馴らされている為か、微分音の話題がごく普通に現われて来ます。そういう側面がごく普通にファッション界隈にて語られているという事も瞠目に価するのでありますが、ある程度器楽的素養を持たれる方でも理解に難儀するインタヴューであろうと推察するのでありまして、私が今回取り上げる話題は、中東地域に於ける微分音の実際をざっくりと語り乍ら、ティグラン・ハマシアンが語ろうとしていた意味を判り易く説明しようと企図する物であります。

ティグラン・ハマシアンにコトリンゴが聞く、アルメニアと彼の音楽の魅力

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Sesqui tone(三分音)を語る [楽理]

 今回は、ジェイコブ・コリアーが自身のインスタグラム・フォロワー10万人達成時にデモ演奏を披露した特徴的な「2/3半音」というボイス・リーディングを聴いて感化されて書いた物であり、その特徴的な音律として微分音律のひとつの体系である三分音=18EDOを語る事にした訳です。


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Dave Lloyd Stewart を語る [楽理]

 カンタベリー系プログレを代表するキーボーディストの雄、デイヴ・スチュワートを語る事にしますが、今回の記事タイトルで態々ミドル・ネームの 'Lloyd' を附与した理由は、ミドル・ネーム無しの同姓同名でユーリズミックスのギタリストの存在があるからで、それとは区別したいが故の事であります。まあ、私のブログに目を通される様な方にユーリズミックスを贔屓する様な方は相当少なくなると思いますので混同される方は限りなく少なくなるとは思いますが、ネット上に於ては色んな方が来られるとは思うので、のっけから畑違いの方が目を汚される事がなき様配慮したつもりであります(笑)


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ジャズに見られるダブル・クロマティック [楽理]

華々しい半音階

 ジャズというのは重畳しいハーモニーとインプロヴィゼーションが醍醐味でありますが、単にダイアトニック・ノートをインプロヴァイズするだけでは卑近なアプローチに過ぎず、半音階の音脈を駆使したノン・ダイアトニックの音を使う事でジャズの真価を発揮する物です。



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日野皓正の名曲に学ぶ [楽理]

 今回は日野皓正のアルバム『New York Times』収録の「Key Breeze」を分析し乍ら学ぶ事にしますが、この曲を取り上げる狙いというのは、平易なメロディーに対して高次な和音進行を附与したり、単純なモード想起では呼び込めない音脈を用いたアプローチなど、とても学ぶべき点が多いからであります。
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コード表記の体系 [楽理]

 和音表記と呼べば、その字義からはこれ以上の誤解を生じない物であります。ある特定のシーンにて読譜の現実に置き換えてみましょう。

 楽譜を初見で読む事を要求され、更にはインプロヴァイズを要求されるシーンならば、パート譜に於てはテーマ部やブリッジ部以外は小節数が判別できる長休符があれば事足りる訳であります。こうした時、アンサンブルの状況を即断できるならば、親しみの無い初見の音楽に対してもう少し熟慮された音脈を使う事が出来るかもしれない。その際充てられる表記としては事細かな音符や装飾記号などの類ではなく、伴奏を司る和声的「成分」であれば充分であるので、茲に、コード・サフィックス或いはコード・シンボルという記号が附与される事でインプロヴァイズには思考的な側面にて即断が可能となる峻別にも大きな助力となってくれる訳でありまして、特にジャズ/ポピュラー音楽界隈の音楽ではこうしてコード・サフィックスが整備されてきた訳であります。西洋音楽と世俗音楽界隈をも同じく俯瞰した時の呼称は、単に「コード・ネーム」として呼ばれて分類される事が多いと思います。


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トーナル・センターとフィナリス [楽理]

 楽理的な側面を学ぶに際して、殊にジャズ/ポピュラー音楽界隈に於ては概して「横文字」が付きものであり、その横文字に対応する日本語が無いとばかりに近視眼的な発想で断罪されてしまいがちです。日本国内に於ても西洋音楽を模倣して来た歴史は決して短くはないのであります。然し乍ら西洋の本流に比べれば非常に浅い歴史の中で、能くも茲迄体系を築き上げて来たと思わせるのは、先人の多大なる功績と努力と共に整備された叡智と体系に、後人が特段の労苦を伴わずして恩恵を蒙る事が出来るからであります。



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六度進行の典型例 [楽理]

 六度進行、つまりは先行和音から後続和音に進行する際に、長・短三度音程を上方/下方にある状態の事であり、六度進行というのはそれらの転回でもあり、それらを総称して六度進行という呼称に括られる訳であります。その際、長三度/短六度音程で表わされる状況は互いに複数の全音音程で捉える事が出来るので、「二全音/四全音」という風にして呼ばれる事もある訳です。



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投影法に見る長属九 [楽理]

 前回は投影法について端的に語った物ですが、ジェイコブ・コリアーの動画などを絡めて例示した事もあって比較的判り易かったのではないかと思います。その上で今回は「長属九」というドミナント7thコードに長九度が附与される和音についても語る訳ですが、その前に今一度投影法に伴う下方倍音列についても述べておきたい事があるので先ずはその辺りから語る事に。


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