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ちくま学芸文庫『バルトーク音楽論選』を読んで [書評]

 2018年6月初旬、ちくま学芸文庫にて『バルトーク音楽論選』が刊行されたのでありましたが、刊行前にふと私の脳裡を過った事は、文庫化する前の単行本の存在が筑摩書房に有ったであろうか!? という事でありました。
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杉本拓著『楽譜と解説』を読んで [書評]

 私のブログは茲の処、音楽書関連書評の話題が続いているのでありますが、今回取り上げる音楽書〈杉本拓著『楽譜と解説』〉を取り上げたいが故の事だったのです。これまでの書評に関して私が述べていた脚注と出典の重要性やらシカゴ・スタイルが好みではないというそれも、今回取り上げる書籍の脚注の類が概ね愉しく読む事のできる物ではないかと思い、刊行順としては先行のそれらと前後してしまうのでありますが、敢えてこうして紹介したかった訳です。脚注のタイプとしては、章末毎に脚注を充てられる物ですので近年の音楽書で例えるならば、ヤニス・クセナキス著 野々村禎彦監訳 富永星訳『形式化された音楽』を挙げる事が出来ます。  

 あらためて本の脚注・訳注の重要さという物を思い知る事が出来るのが『形式化された音楽』でありましょうが、本文が巧くテーマが別けられていると、文章のコントラストはより一層明瞭になり深く理解が出来る物です。それにひきかえ、フィリップ・ボール著『音楽の科学』という物を振り返ると、その圧倒的な文章量とは裏腹にテーマ別けは不明瞭で散文化しており、読む事に骨の折れる類の一冊である事は疑いの無い所でありましょう。それでも杉本氏は『音楽の科学』に興味を抱いている事を跋文にて告白しておりますので、骨折りを厭わないという事も同時に謂わんとする物なのかもしれません。


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木石岳 著『やさしい現代音楽の作曲法』を読んで [書評]

 政治学、社会学、音楽学などの界隈では「近代・現代」というキーワードは頻繁に使われる物ではありますが、それらが表わす言葉が明確に統一が図られて呼ばれている物ではありません。研究分野それぞれに各様の別けられる年代はあるとは思いますが一義的な解釈という風にはなっていない物でありますし、それらをひっくるめて「近現代」などと呼ばれる事も珍しくはありません。

 また、最近では特に為政者に依る欺瞞政治・公文書改竄・奸計企図が跋扈する政権下でありますから、それこそ一般の書店では戦後史にまつわる本が結構なスペースを割いて陳列されている事など珍しくありません。そういう息苦しい世の中にあって果して「現代音楽」とやらはどういう風に現今社会を生き抜いて来ているのか!? という事をあらためて現今世代の視点で語られるであろうという期待感から、今回の記事は『はじめての〈脱〉音楽 やさしい現代音楽の作曲法』の書評とする事にした訳であります。
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『コード理論大全』(清水響著)を読んで [書評]

 世俗音楽界隈の音楽書を手に取る事の少ない私ではありますが、本書に於ては刊行前から私は注目していた事もあり、今回書評を述べる事とした次第です。


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東川清一著 『音楽理論入門』(ちくま学芸文庫)を手にする [書評]

IMG_3556.JPG 2017年、菖蒲も咲き始めたGW明けの5月、筑摩書房から上梓されたちくま学芸文庫の内の1冊に、今回の記事タイトルとした『音楽理論入門』(ISBN 978-4-480-09795-8)を手に取る事となった私。奥付の日付は5月10日ですが、私が手にした日は5月11日でありました。袖珍サイズの文庫本ですから譜例や図版などは相当小さくなって印刷されてしまうのではないか!? と思っていたのですがそれは杞憂に終り、予想に反する程に線数(lpi)の細かい印刷(しかも横組み)で、とても鮮明に印刷されておりました。

 音楽という分野にあっても私は縦組みの本を好むタイプ。私にとって横組みの書籍というのは苦手な部類であるのですが、その理由は文章を目で追う際、人間は概して水平方向の視野が広く且つ機敏な為に、私の場合は特に文章追従に弾みが付き過ぎてしまうのか、熟読をスポイルしてしまうクセがある訳です。そういう私ですから音楽書の類と雖も大概の物は縦組みの書籍を嗜好するタイプの人間であるのです。とはいえ、縦組み・横組み如何で器楽的理解がどちらかに偏る様では不味い訳で、私の場合は結果的に横組みの本の方がより細心の注意を払って読む必要がある為ついつい歎息してしまうのであります。そうは言っても、東川清一の著書とならば拝戴しなければならないマスト・アイテムとなる訳です。


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『感情で釣られる人々 なぜ理性は負け続けるのか』を読んで [書評]

 世知辛い世の中、現今社会に嘆息する事は決して少なくないのが現状でもあります。その嘆息する源泉は果たして政治に対して己の期待する方とは異なる方面に政治が動くからであろうか。実はこの期待値こそが陥穽なのではないかとも思わせる程に、今回のブログ記事タイトルに用いた堀内進之介著『感情で釣られる人々 なぜ理性は負け続けるのか』(集英社新書)を読んでみて、あらためて痛感させられた物であり、久々に目から鱗が落ちた様な気にさせてもらった清々しい程の良著に遭遇できた物であります。


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『ハービー・ハンコック自伝 新しいジャズの可能性を追う旅』を読んで [書評]

01Possiblities_Hancock.jpg 原著では”Herbie Hancock with Lisa Dickie”とクレジットされている現在も存命中の現今ジャズ界の数少ない生ける証人のハービー・ハンコックの自伝なのだから、これには刊行前から一際注目していた物でした。DU BOOKS出版から川嶋文丸訳になるという事はネット情報で刊行前から掴んでいたものの、私の当初の予想としては、楽理的側面には触れられる事は殆ど無いだろうという見立てを立てて居りました。というのも、自伝が専門的な楽理的側面を語って了うと、吐露する部分が専門的分野の言葉に依って武装され、一般的に解釈し得る側面をオブラートに包んで了いかねないという部分が往々にあったりする物なので、そうした部分は極力避けて来るであろうという私の予測は図らずも当っては居りました。


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新垣隆著『音楽という〈真実〉』を読んで [書評]

 扨て今回は、ゴーストライターとして巷間を賑わせた新垣隆氏の著書『音楽という〈真実〉』の書評を語る事に。
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『新しい和声』〜藝大和声から芸大和声へ!?〜 [書評]

 林達也著『新しい和声』アルテスパブリッシング刊が上梓され、どういう側面での新しさに踏み込んでいるのか!? という視点で比較考察してみました。体系を重んじ乍ら現今社会(音楽界)で蔓延る現実とどのように対照あるいは同居させているのか興味深い所です。では早速書評から。


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2014年度私的音楽関連図書ランキング (2) [書評]

 扨て、前記事は私的音楽関連図書ランキングの10位〜4位までを紹介したので、続きを語っていくことに。


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